Johanson, J., & Vahlne, J.-E. (1977). The internationalization process of the firm: A model of knowledge development and increasing foreign market commitments. Journal of International Business Studies, 8(1), 23-32. ★★☆ 【2013年1月23日】

 個別の進出相手国(import/host country)において、不定期輸出(no regular export)、代理店(agent)、販売子会社(sales subsidiary)、生産(production)という時間的順序で展開していくという国際化プロセス(internationalization process)のモデルについて、このような時間的順序は、本国と相手国との間の心的距離(psychic distance)に関係していると論じている。ここで心的距離とは「市場との情報のやりとりの流れを妨げる諸要因の総体」と定義される。たとえば、言語と文化の違いや、教育、ビジネス慣行、産業発展での違いである(p.24)。その違いのせいで市場知識が不足し、さらにその不足のせいで国際化は漸進的特性(incremental character)をもつことになるという(p.26)。

 論文の後半は、そうした国際化を説明するモデルを提示し、漸進的であることは説明しようとしているが、不定期輸出、代理店、販売子会社、生産という時間的順序になるという本来の国際化プロセスの説明にはなっていない。


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