Truong, Y., Klink, R. R., Fort-Rioche, L., & Athaide, G. A. (2014). Consumer response to product form in technology-based industries. Journal of Product Innovation Management, 31(4), 867-876. https://doi.org/10.1111/jpim.12128 ★★☆ 【2022年5月18日】


 革新的な製品形状(innovative product form; 色・形・大きさ・均整などの視覚的要素)であればあるほど、製品の(a)知覚価値、(b)好感度、(c)購入意欲につながるはずだ、というありがちな主張に対して、この論文は、それは革新性(仮説1)やデザインセンス(仮説2)が高い消費者なら確かにそうだが、低い消費者だとそうでもないというモデレーティング効果があることを検証している。なので、革新性やデザインセンスのある消費者をターゲットにして、インフルエンサーになってもらった方がいいというような示唆もしている。

 被験者はより革新的な製品形状とあまり革新的ではない製品形状のテレビ関係の製品で2群に分けられてデータをとられているので、

  1. 消費者の革新性(consumer innovativeness)は
    • 全体的に最新技術を搭載したテレビを購入したい。
    • テレビを買うなら、最新のものを買う。
    • 最新のテレビを人より早く購入する傾向がある。
  2. 消費者のデザインセンス(design acumen)は
    • 製品デザインの微妙な違いを見抜けるのは、これまで培ってきたスキルの一つである。
    • 他の人が見過ごしがちなデザインに目が行く。
をいずれも7点尺度で訊いて、平均をとっている。英国の25歳以上の消費者408人(男70%、女30%)を対象にしたオンライン調査のデータ。

 ただ、図3〜図7の5枚の図は解せない。図3〜図5は高革新性と低革新性の2本の線の傾きを比べるべきだし、図6・図7は高デザインセンスと低デザインセンスの2本の線の傾きを比べるべきだろう((c)は有意ではなかった)。


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